2011年8月30日火曜日

山の本

最近読んだ本。
孤高の人(上)(下) 新田次郎
狼は帰らず アルピニスト・森田勝の生と死 佐瀬稔

「孤高の人」は、実在の人物を書いたものだけど、どうも面白くなかった。確かに孤高で凄い人だと思う。けど、何かこうスッキリしない部分が多かった。時代背景、当時の事情を思えば、本当に凄い人がいたのだなと思う。マンガで連載されているけど、特に「読んでみたい!」とは思わなかった。きっと現代風にいろいろ設定が変更されて、今時の人が読みやすいものになっているのだろうなと思うだけだ。

「狼は帰らず」は、「神々の山嶺」の羽生のモデルになった森田氏のことを書いた本。特に物語的でもなく、時代背景と森田氏を作り上げた環境、生い立ちを知ることができたのは良かった。神々の山嶺を読んだ時、羽生のモデルになった人物とはどんな人だったのかと興味を持っていたので、読まずにはいられなかった。

神々の山嶺は面白かった。

今は、
長谷川恒男 虚空の登攀者 佐瀬稔
を読んでいる。
これも神々の山嶺の長谷のモデルになった長谷川氏のことを書いた本。少し読むのに時間がかかりそうな気がする。

2011年8月26日金曜日

利尻山登山の翌日

朝、目を覚ますと外は雨が降っており、雷もゴロゴロと鳴っていた。結果論だけど、昨日登っておいて良かった。稜線上で雷に遭遇したくはない。

痛くて仕方がなかった右膝は、エアーサロンパスを使用して寝たおかげか、目が覚めた時には痛みも引いており普通に歩けた。痛かったのは右膝をかばって歩いていたためだろう、左足のふくらはぎと太もも。久し振りの筋肉痛だ。他は肩こりではなく、肩の筋肉が痛い。普段荷物を背負って歩くことがないので、荷物を入れて背負ったリュックサックのせいだとすぐわかる。心配していた右足首の古傷は、サポーターを使用していたおかげか何ともない。

前日の利尻山登山を終えて一晩寝て、来年も登りたいと思っている。嫁さんはやはりもう登らないと言っている。麓からの登山開始から、山頂を経て麓へ戻り登山が完成。来年は全部自分で準備して、ソロで臨む。是非来年も利尻山登山を完成させたい。

もし継続して山に登るなら、
・登山靴
・バックパック
・ポール
は最低限準備したいと思う。
今回の登山の経験で、これだけは揃えたいと思った道具だ。

今回使用した道具は全て、基本自宅にあった物を吟味して使用しました。

バイクでの経験を経て、「まず1度やってみて、必要ならば買う」ということで。
沓形港寄港中の「にっぽん丸」 (嫁さん撮影)

2011年8月25日木曜日

利尻山登山 鴛泊コース

嫁さんと1ヶ月前位から予定していた利尻山登山に出掛けた。

嫁さんの登山経験は北海道の赤岳、黒岳。自分は小学校の時に、地元仙台の市民の山として親しまれている泉ヶ岳に1度登ったことがある程度。はっきり言って登山の「と」の字も知っていると言える経験がない。

そして最近は運動らしい運動もふたり共にしていない。まあ、体を動かしているかなと言えるのが、自分が通勤に片道2km程を自転車を使っていること位だ。いちおう事前のトレーニングのつもりで、近所の山を2回散歩した。1回目は1時間ちょっとのウォーキング。2回目はアップダウンのある散策路を1時間40分程度。自分はいろいろ調べていたので、利尻山は登りに5時間、下りに4時間掛かるということを知っていたけど、嫁さんが知っていたのかは謎。

めったに取れない連休を嫁さんと合わせて取り、1日目の朝1番早い便で利尻に渡り山頂目指してアタック。悪天候等でダメなら2日目の早朝からアタック。基本はこのような予定だった。一般的には前泊を入れて翌早朝に山頂目指して出発というのがセオリーであり、推奨される行程だ。
早朝自宅を出発し、フェリーに乗って利尻島へ渡り、利尻山麓の駐車場に車を停めて登山開始。この時点で8時40分頃。途中、甘露泉水で水を2リッターのペットボトルに入れ、持参した水やスポーツ飲料と合わせてひとりあたり2リッター、ふたり分で4リッターとする。

ずっと勾配はきつくないのだけど、丸い小石がいっぱいあったりする箇所が多いので足元ばかりを見てしまい、わずかな時間で耳の後ろあたりが痛くなった。意識して前を見るようにすると痛みは解消。
登山途中、野生のリスを4回見た。嫁さんはりっぷちゃん可愛いと大喜び。さすが、利尻でキャラクターグッズが販売されていたりするだけあって、生息数は多そうだ。
5合目に達するまでに「こんなに重いリュックサック背負って登山したことない」と不平を言う嫁さんの荷物を出来る限り自分のリュックサックに移した。ほとんどわたしが準備したリュックの中身だけど、必要最低限しか入れていないし、特にどちらかひとりが持っていれば良い荷物についてはわたしが持っていたので、今まで登った赤岳、黒岳はどれだけの軽装備で登っていたことやら。そしてペースは嫁さんに合わせていたので全然上がらない。やはり登山は同程度の体力の人とパーティーを組まないと不都合が起きやすいと思った。

自分としてはゆったりとした、悪く言えばダラダラしたペースで登り、9合目に達する頃には登山開始から4時間を少し経過。9合目まで登って下りて、もう1回登って下りるだけなら体力的には余裕だとわたしは思った。
しかし9合目からがきつい。勾配もさることながら、足場が悪い。約1時間かけて頂上へ。登山開始から5時間15分を経過していた。
本当の山頂、南峰1,721m
一般的な山頂である北峰で15分位過ごして下山を開始。登りの時と同様に基本わたしが先行して、写真を撮るなどした際には嫁さんを先行させた。山頂から9合目に下りるまで嫁さんは3回転んだ。必要ないかなと思いながらリュックに詰めたエイドキットがあって大助かり。やはり絆創膏、消毒液は必需品だった。そんなこともあり、山頂から9合目まで50分位かかった。登りの時と所要時間にあまり変わりがない。9合目まで下りるのにふたりとも足の指のツメに痛みを感じるようになる。傾斜がきついところで足元が悪いからだ。そしてわたしは右膝に違和感を感じ、後で痛くなりそうだと思う。

登りの時と同様、たびたび休憩を取りながら7合目位まで達した頃、常に嫁さんよりペースの早かったわたしの膝に異変が起きた。痛くて嫁さんの歩くペースにさえついて行けなくなったのだ。5合目に達する位までは直線で嫁さんの姿を確認できていたが、その後はずっと姿を見ることがなかった。嫁さんの姿を見失ってから40分。4合目の標識を過ぎてしばらくしてから嫁さんがしゃがみ込んで待っていた。「大丈夫?」と声を掛けられるも、40分も姿を見ることなく、暗くなってきている山道を痛みをこらえて歩きながら、嫁さんは遭難していないだろうかと心配しつつ歩いていたわたしとしては、怒りの感情しか出て来ずに、かける言葉が出て来なかった。ふたりしかいないパーティーなのに、40分も姿を見せないということは、自分にはどうしても理解できなかった。嫁さんなりにいろいろ考えがあったのかもしれないけど、暗くなった山の中で、何の申し合わせもなく40分間も姿を見せないのは異常だと思う。もちろんこの後ケンカ(笑)
3合目の甘露泉水に達する頃には辺りは真っ暗。リュックに準備していたLEDの小型懐中電灯で足元を照らして下山。
何とか車を停めた駐車場まで辿り着いたのは、下山開始から5時間15分後。時間の経過は腕時計のストップウォッチにて計測。

予定ではもっと早く下山してテントでキャンプする予定だったけど、下山途中、わたしの右膝が痛くなる前に、ペースが悪いということで、利尻のお友達に携帯電話で連絡してお願いし、一晩過ごせる場所を確保していた。

下山後すぐに温泉に入りに行って体重計に乗ると、今朝よりも2.2kg体重が落ちていた。登山中自分が摂取したのは、飲料約2リッター(栄養補給系のスポーツドリンク500mlを含む)、カロリーメイト1箱半、おにぎり1個、ポテトチップス(ピザポテト)1袋の8割。本当はおにぎりふたつの予定だったけど、行動食を甘く考えていた嫁さんにゆずった。

嫁さんは登り8合目に達するまでは、「また来たい」と言っていたが、下り9合目に達する頃には「もう来ない」と言うようになっていた。普通、同じ道を行って戻るならば帰りを早く感じるはずだけど、今回に限っては全然そのように感じなかった。自分は膝を痛めていたこともあり、下りはやけに長く感じた。

自分の個人的な感想として、また登りたいと思うし、自分の体力を計るのに良い山だと思う。

山に登るには、やはり不測の事態(今回で言えば膝の痛み発症)に備えて余裕のある行程で臨むのが良いと思うし、自己責任で登る以上、荷物が重たくなっても必要な道具はリュックサックに入れて登るべきだと思った。

2011年8月9日火曜日

極地法、アルパインスタイル、アルピニスト、登山家

ここ2~3年、よっぽど面白そうと思わなければ、読む本はビジネス本や自己啓発本みたいな本ばかりだった。そんな本は筆者と自分の感覚が合わないと全然読み進められない。内容が良くても、面白く読めないとホント、ページが進まなかった。

会社の休憩室にあったマンガ雑誌を見ていて、石塚真一さんの「岳」ってのが面白くて最初から読みたかった。レンタルマンガで借りられれば良かったのだけど、映画化されたこともあってか、全然借りることができなくて、結局買ってしまった。でも買って良かったというか、アウトドアや山に少し興味を持っていたところだったので、自分の本としてじっくり読めて良かったと思う。嫁さんも面白いと言って一緒に読めたから、それも良かったと思う。

「岳」の最新巻まで読み終えた後、何故か植村直己さんの本が読みたくなって買って読んでみた。冬のマッキンリーで行方不明になったということは知っていたけど、具体的にどのような活動をしていた人か知らなかったので、小説を読んで本当に凄い人だと思ったし、山が語られている本をもっと読みたいと思った。そして、ここひと月の間に8冊の山岳小説、冒険小説を読んだ。

青春を山に賭けて 植村直己
エベレストを越えて 植村直己
落ちこぼれてエベレスト 野口健
凍 沢木耕太郎
垂直の記憶 山野井泰史
いのちの代償 川嶋康男
神々の山嶺(上)(下) 夢枕獏

「山をやる」という今まで知らなかった世界にやや没頭した。これで数年前、沢木耕太郎さんの「深夜特急」を読んで以来、「いつかカトマンズ行ってみたいな」と思っていた気持ちが、エベレストをついでに見に行くということで、今すぐには難しいけど、自分の実現したい「夢」みたいなものになった。とにかく、自分の足でエベレスト街道を歩いてみたい。セローでオフロードを走るようになってからだけど、人間の2本の足って本当に素晴らしい移動手段なんだなと思っていたところ、山の世界を知り、山に登るため、健康のために、体を鍛えないといけないなと思った。いつかエベレスト街道を行くためにも。今まで高い山に登った経験がないので、エベレスト街道を行くにも、高山病に対して自分の体は大丈夫だろうかという心配はあるけど、ヒマラヤを訪れたい気持ちがあるので、体を鍛えるのも目的に向かって頑張れる気がする。

今まで全然知らなかったアルピニスト山野井泰史さん。小説を読んで凄く興味が湧いたので、ネットであれこれ調べてみた。感想としては、凄い人だなと思ったし、とても羨ましかった。ビッグスポンサーがついている訳でもないのに、ヒマラヤの山々へ登るのに高額な登山料をほとんど自費で払っている。どうして払えるのか?それは自分のやりたい好きなことのために、普段の生活を慎ましく送っているからということらしい。クライミングしている時の表情が、本当に好きなことをやっている生き生きとしたものに見える。本当に素敵だなと思う。若い頃から自分のやりたいことがブレない。本当に凄い。自分は周りに流されやすく、今でもこれが自分の本当にやりたい唯一のことと言い切れるものがないので、山野井泰司さんを尊敬する。きっかけは本を読んだことに始まるものだけど、久々に素晴らしい人を知った。

そして今日から新田次郎さんの「孤高の人」を読み始めている。今後読みたいタイトルもいっぱい。

2011年8月4日木曜日

道内ツーリング失敗?!

8月3日4日と久し振りの連休だったので、積丹半島を目的地にして3日早朝自宅を出発。さすがに夏休みだからか交通量が多く、思い通りに距離を稼げない。小樽に着いたのがお昼前。スピードものらないので、エンジンの発熱が凄くて足元がひどく熱い。お昼頃までには積丹を回って景色の良いところで写真を撮って、時間があったら遠回りして宿泊予定の札幌に入ろうと思ったけど、小樽までに時間が掛かったこと、疲労感が思ったよりもあったことから、小樽から札幌へすぐに向かった。交通量も多くないだろうと期待して向かった朝里峠は、工事車両によってノロノロと全然進まず時間のロスとともにエンジンからの熱で体力をさらに奪われた気がする。小樽から買い物目的で訪れた北広島の三井アウトレットまで約2時間半。その後本屋に寄ってから予定よりも早くホテルにチェックイン。大学時代の先輩と夕食の約束をしていたので、ホテルでシャワーを浴びてさっぱりして外出。結局は先輩と妹と遅くまでお酒を飲んで、妹はグダグダ。兄としてはお酒でグダグダな妹が凄く心配。
翌日の4日は、バイク屋さんでブラックバードのオイル交換をして、すぐに帰宅の途へ。妹のおかげで寝不足気味だったので、札幌でゆっくりしていたら帰る頃には本当にクタクタで帰るのが面倒になりそうだった。
ツーリングの目的地として、本当は襟裳岬に行きたかったのだけど、日程的に余裕がなかったので積丹に目的地を変更。実際出発してみると全然距離を稼げなくて、ツーリングメインのつもりが、わずかな買い物と先輩や妹と話をしながらお酒を飲むのがメインになっていた。先輩との話は、バイクのことや最近考えていることなどいろいろと話したけど、どれも楽しかった。
札幌からの帰りは実験的にシフトアップを我慢して、エンジンの回転数をいつもより平均1000回転上げてみた。ちょっと燃費悪くなるかなと思ったけど、実際にはいつもより1km強燃費が良かった。オイル交換をした効果かもしれないけど。しかしオイルは距離的に、交換からの期間的にそう劣化しているはずもなかったので、オイル交換をした効果が出ていたとしてもわずかなものと思う。それよりも、エンジンの回転数を上げすぎず下げすぎず、わずかにアクセルを開ける程度でスッと加速するような状態を保つ方が燃費が良いのだろうかと考えるようになった。今後の研究課題かな。エンジンの回転数を1000上げただけだったけど、乗っている分にはフィーリングが凄く良くて気分もメチャ良かった。新たな嬉しい発見。